スキルアップのための調香講座「アトリエ・ド・クレアシオン」を開催しました

当協会ではセラピスト活動を応援するための研修を行っています。その一つ、調香のスキルアップ講座を開催しました。

2022年4月23日(土) 26日(火) 各10:00-12:00

講師:福島明子/当協会理事長 アトリエ・アローム&パルファン・パリ認定講師

調香師さんの香料・教材を使った調香レッスン

アロマコラージュ療法は香りを使ったアートセラピーです。そのため、セラピストとして活動するにあたって、調香の知識は不可欠です。

 

そこで当協会で導入しているのが、当協会の顧問も務めてくださっているフランス在住の調香師・新間美也氏の教材「アトリエ・ド・クレアシオン」です。

 

上質な香料を使って調香の専門知識を学べる一般向けの講座は意外と少ないのです。そんななかにあって、「アトリエ・ド・クレアシオン」には、調香師さんのアトリエから送られてくる12種類の香料、調香師さんが執筆したテキストやノート、香水ビン、ムエットなどがセットされており、だれでも気軽に調香の専門知識を学べます。

 

当協会の会員はもちろん、一般の方も受講いただけます。

調香師さんがプロデュースした教材「アトリエ・ド・クレアシオン」。フランス直輸入の香料などがセットされています。左上は生徒さんたちのフレグランス。生徒さんのレシピで講師も作成し、遠隔で一緒に鑑賞しました。
調香師さんがプロデュースした教材「アトリエ・ド・クレアシオン」。フランス直輸入の香料などがセットされています。左上は生徒さんたちのフレグランス。生徒さんのレシピで講師も作成し、遠隔で一緒に鑑賞しました。

12のノートを香りのことばで表現し、香りの感性を磨きます

参加者は5名。当協会のセラピストのほか、一般の方もご参加くださいました。全員アロマセラピーの専門知識をお持ちで、アロマブレンドデザイナーの資格を保有している方もいました。

 

「アトリエ・ド・クレアシオン」のメインテーマは12のノートと香水の構造。調香師さんの香料、テキスト、ノートを使って、フレグランスに欠かせない12のノート、フレグランスの構造、レシピ作成法などについて学び、オリジナルのフレグランスを創作します。

 

ノートとは香りの調子、香調のことです。シトラスノート、フローラルノート、ウッディノートといった、アロマではなじみのあるノートだけでなく、フゼアノート、シプレノート、ムスキーノートなど一般にはあまりなじみのない、でも香水には欠かせないノートを学びます。

 

こうした知識を学びつつ、本講座では「香りのことば」のトレーニングに力を入れました。

 

香りをことばで表現するのはとても難しいです。学校教育では音楽や図工の時間はあっても、香りの時間はありません。日常生活で香りをことばにする機会もほとんどありません。ですので大人でも「どんな香り?」と訊かれると、言葉に詰まってしまいます。しかしトレーニングすることはできます。香りをことばで表現する習慣をつけることで、香りの感性が磨かれていきます。

 

1日目は参加者4名だったため、試香中、浮かぶイメージを自由に声に出していただきました。おかげで自分にはない香りのことばを取り入れていただくことができました。

 

香りのことばが出てくるようになると、香水創作においてイメージを豊かにふくらませることができ、また香水をより深く鑑賞できるようになります。

 

12のノートのなかには、精油として採取できない(またはほとんど採取できない)ノートが含まれます。マリンノート、フルーティノート、ムスキーノートなどです。また本講座では、アロマセラピーではほとんど取り上げない調香の知識を学べます。さらにアロマセラピーやアロマコラージュ療法とは異なる方法でフレグランスを創作します。

 

そのため、アロマの専門家であっても、本講座を2時間受講すると調香スキルがぐんとアップします。

 

「旅」をお題にフレグランス創作。コロナ禍のなか、香りをとおして旅気分を満喫しました

最後に、学んだ知識を総動員してフレグランスを創作していただきました。各生徒さんが作成したレシピをもとに講師もフレグランスを作成。作り手と講師が「せーのー」で同時に試香し、ふたりで香りを「実況中継」し、ほかの生徒さんたちにシェアしました。

 

<作品>

「ダイナミックな旅」

「函館」

「京都ひとり旅」

「若返りの旅」

「おつかれさまの旅」

 

同じ旅というテーマでも全く異なるコンセプトでレシピが作られ、個性豊かなフレグランスが揃いました。フレグランスのコンセプトやコンセプトをどのように表現したか語っていただき、香りを鑑賞しました。

 

コロナ禍で行動の制限があるなか、香りをとおして旅について語り合い、みんなで旅気分を味わえたのは楽しいものでした。「ほかの方の香水を嗅いでみたい」というお声が上がりましたので、ムエットにつけて郵送させていただきました。


**受講後のご感想**

●アロマテラピー好きで香水好きのわたしですが、その間にある溝のような空白が、この講座で一気に埋まりました。自分を取り巻いていた香りの世界が膨らんで大きくなった感じです。受講して本当に良かった!感謝感謝です。ほかの方の香り、すごく嗅ぎたかったのでとても嬉しいです。お気遣い本当にありがとうございます。

 

●香りはとても不思議で、昨日試香したときは、フレッシュでとても若返った気持ちだったのですが、今日はオリエンタルなムードで大人の夜の落ち着いた雰囲気になっています(笑)。ブレンドは難しいですが楽しいです。もう一つの調香講座は、人に香水を作ってプレゼントしたいと思っているわたしにぴったりの講座ですので、参加したいです。

 

●楽しく受講できましたし、調香の奥深さをとても感じました。調香のテーマが旅だったこともあり、わたしにとってはタイムリーなレッスンでした。

 

●この講座はかなり役立ちます。調香はすごく楽しいし、奥が深いと感じました。12のノートを学び、イメージをふくらませる練習ができました。求めているものを引き出しやすくなったと思います。これからもゆっくり時間をかけて香水を作ってみたいです。今日の香水はすごく気に入ったので、女友だちにも嗅いでもらおうと思っています(笑)。

 

●12のノートの香りのピラミッド、香りのことば、調香レシピ、コンセプトなど、とても興味深く学ぶことができました。精油では採取できない香りを合成香料で作るということを知りました。精油にない香りに出会え、香りの幅が広がりました。調香レッスンによって、香りを作る楽しさ、喜び、魅力、満足感をたくさん味わうことができました。皆さんと受講し、交流ができたのもよかったです。他の方々が作られた香水のムエットをお送りいただけるようで、ありがとうございます。届くのが今からわくわく楽しみです。今も部屋の中が、フランスから届けられた香りに包まれて、フランスを旅しているみたいでとっても優雅な気分です!12の香料で引き続き調香してみます。ほかのレッスンも受講してみたいと思っています。

 

本講座はご希望を受けて開講しています。これまでは受講生1~2名でした。

今回は一般の方も含め複数で受講いただき、香りをとおした交流も楽しんでいただきました。

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。