今年も栃木県の適応指導教室「もおかライブリー教室」さんを訪問しました

栃木県真岡市の適応指導教室「もおかライブリー教室」さんでワークショップを開催しました。

 

2021年9月30日(木)

トライアルコース

田崎暁子セラピスト

もおかライブリー教室さんとの出会い

もおかライブリー教室さんとの出会いは2015年3月にまでさかのぼります。アロマコラージュ療法開発者は、当時、栃木県宇都宮市の作新学院大学に勤務していました。2009年に大学生たちと一緒に「アロマボランティアチームK」を結成し、県内でボランティア活動を始めました。その一環として、2010年以降、毎月、栃木県高根沢町の適応指導教室「ひよこの家」を訪問し、アロマコラージュ療法やアロマセラピーを用いた支援活動を行いました。

 

この活動が日本健康心理学会の研究部会助成金に採択され、キックオフイベントとして、2015年3月27日に大学で研究集会を開催しました。

 

研究集会は複数の地元メディアで取り上げられ、適応指導教室のスタッフさんをはじめ、教育・福祉・医療関係者など、県内外から多数の方にお集まりいただきました。 

 

第1部では、適応指導教室を対象に行った実態調査の結果報告、ひよこの家での支援活動の紹介、高根沢町のスクールソーシャルワーカーによる活動報告などを行いました。ディスカッションも大いに盛り上がりました。

 

2015年3月25日下野新聞(二次使用許可を受けています)
2015年3月25日下野新聞(二次使用許可を受けています)
当日配布資料
当日配布資料
第1部の様子
第1部の様子

第2部では、アロマコラージュ療法を実際にご体験いただきました。「癒された」「楽しかった」といったご感想のほか、「こんな方に体験いただくのもいいのでは」などのご指摘もいただきました。

 

 

第2部では実際にアロマコラージュ療法をご体験いただきました。
第2部では実際にアロマコラージュ療法をご体験いただきました。
本研究集会の反響は大きく、終了後もディスカッションを続ける方、翌年の研修会にも続けてご参加くださった方もいました。
本研究集会の反響は大きく、終了後もディスカッションを続ける方、翌年の研修会にも続けてご参加くださった方もいました。

穏やかな雰囲気のもおかライブリー教室

ひとりで過ごす時間に配慮しながら、みんなで取り組める体験学習にも力を入れています

この研究集会に参加されていたのが、もおかライブリー教室の先生だったのです。会場で先生からじきじきに「うちの教室でもぜひアロマコラージュ療法を実施してほしい」とお誘いいただきました。

 

この出会いがきっかけとなり、毎年、教室を訪問しアロマコラージュ療法をご体験いただくようになりました。2015~2016年は、作新学院大学の教授であった開発者とゼミ生で構成する「アロマボランティアチームK」のメンバーが年4~5回訪問しました。うち1回は保護者の方々にご体験いただきました。2017年以降は当協会のセラピストが引き継ぎ、訪問させていただいています。現在は三代目の田崎暁子セラピストが担当しています。 

 

適応指導教室は全国の各市町村に設置されており、不登校の小中学生が通級しています。教室によって運営方法、スタッフ、通級生たちの過ごし方はさまざま。スタッフ-通級生の関係性や教室の雰囲気も、各教室によって全然異なります。

 

もおかライブリー教室さんでは、学校を退職した元教師や現役教師がスタッフを務めておられます。

 

雰囲気はとても穏やかです。通級生たちはパーティションで区切られたスペースで自習したり、読書をして過ごせる一方、みんなで一緒に作業を行う体験学習に力を入れておられます。

 

年間をとおし、絵画、書道、陶芸、藍染め、洋裁、生け花、工作などなど、さまざまな体験ができます。その一環としてアロマコラージュ療法もご体験いただいているというわけです。

 

毎年2月には作品展が開催され、当協会のセラピストにも心のこもった手書きの招待状が届きます。通級生みずから案内役を務めてくれ、鑑賞後はお茶まで出してくださいます。それはそれは素敵な作品展で、担当セラピストは、毎年、お伺いするのを楽しみにしています。

※写真は2017年2月の作品展の様子です。


通級生直筆の招待状が届きます。
通級生直筆の招待状が届きます。
教室のすみずみまで飾られた作品の数々。右側のパーティションの反対側にも作品が並んでいます。
教室のすみずみまで飾られた作品の数々。右側のパーティションの反対側にも作品が並んでいます。

アロマコラージュ作品も展示されました。※通級生のお名前部分は加工してあります。
アロマコラージュ作品も展示されました。※通級生のお名前部分は加工してあります。
教室スタッフの手作りケーキを通級生が運んでくださいました。
教室スタッフの手作りケーキを通級生が運んでくださいました。

2021年はコロナ禍のなか手早く制作でき、満足度も得られるトライアルコースを実施

2015年から2019年まではスタンダードコースを実施していました。リラクゼーション(瞑想)に始まり、ゆっくり作品を作り、作品を振り返り、みんなで披露し合うコースです。

 

2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、初めて60分で手早く作れるイベントコースを実施しました。今年は「もう少ししっかり作りたい」とのご希望を受け、感染症予防対策をとり、90分のトライアルコースをご体験いただきました。

 

<感染症予防対策>

・手指消毒

・換気

・会場をアルコール消毒

・対面にならないよう一方向を向き間隔を空けて着席。

・文房具は教室でご用意いただく。 

 

今年の参加者は中学生2名、先生2名。ソーシャルスタンスをとって着席しましたが、和気あいあいとした雰囲気でご体験くださいました。フレグランスが完成すると、お互い香りを試香し合い、「同じ精油を使ってるね」など感想を伝え合っていました。

 

2名の生徒さんのうち、おひとりは今回で4回目! 手慣れた様子で作業し、13種類の精油を使ってフレグランスを制作。完成したフレグランスを試香し、「たくさん香りを混ぜたので変にならないか心配でしたが、ほどよくなりビックリでした」と満足の様子でした。コラージュは、細かい作業でお風呂上がりの湯気を表現しました。

 

もうひとりの生徒さんは初参加。たくさんの精油を使ってフレグランスを制作し、香りに合わせ、コラージュには緑をたくさん貼りました。「涼しげな夏をイメージして作りました。自分でもうまく作れたと思います。また機会があれば参加したい」とご感想をいただきました。 

 

先生方は、「このフレグランスをかぎながらゆったりとした気持ちで食事をとりたい」「ファイトを出して、一歩一歩、山登り。人生はいつも五合目」と、それぞれ作品をとおしてご自分と向き合っておられました。


<田崎セラピストのコメント>

不登校の生徒さんが、前向きに楽しそうに制作されていたのが印象的でした。微力ですが、後押しできるお手伝いができたのではないかと思います。 

 



  

もおかライブリー教室の通級生&スタッフの皆さま

今年も訪問させていただき誠にありがとうございました。

来年もご体験いただけるのを楽しみにしております。