作品を味わう、変化を愉しむ②

ワークショップに参加された方から、「コラージュを手直ししてみました」と写真が届くことがあります。

自宅で眺めているうちにしっくりこない部分が見つかり、

修正すると、より満足感が高まるのです。

 

そんな例を、先日のワークショップで作った自らの作品を例に

ご覧いただくことにしますね。

 

香水 「水の砂漠」

マンダリン、ティートリー、オレンジスイート、

ラベンダー、ジュニパー、ローズウッド、

ネロリ、イランイラン、

黒文字、サンダルウッド、フランキンセンス、ベチバー

コラージュ 「静寂」

この日、わたしは鼻がききませんでした。

何度か窓から顔を出し、外気でリフレッシュしましたが、よく香りませんでした。

 

涼しげでほんのわずかに土臭さもあり、静かな香り。

なんとなくそんな感じでした。

 

かすかに感じる香りを手がかりにコラージュの写真を探しました。

ロイヤルブルー、水の写真ばかりに目がいきました。

仏像、水中の遺跡、香水瓶にも一瞬にして惹かれました。

配置はすぐに決まりました。

 

出来上がったコラージュを見て、

お香の煙が右上の仏像のちょうど鼻のあたりにくるのが気に入りました。

 

 

 

帰宅後、眺めていたらなんか鬱陶しく感じました。

仏像の写真をはがし、 横顔のシルエットに沿って黒い背景を切り取りました。

 

お香も迷った挙句、はがしてみました。

隠れていた部分が露わになった途端、「これでいい」とものすごく満足しました。

 

瞑想中の人物の下方にある文字を、シルエットに沿って切り抜いたお香で隠しました。

 

こうして完成したのが、下のコラージュです。

仏像とお香の黒い背景がなくなり、すっきりしました。

お香の煙が、瞑想中の人物(=わたし)の第1チャクラから入り、

体の中心軸を通り百会から抜けていくかのようです。

 

右下のお香のあった部分からはシルバーの輪が現れました。

2本のヒモが香水を経て瞑想中のわたしへと流れ込み、

お香の煙とともにひとつになります。

 

仏像はお香の香りを嗅いでいたのではなく、

わたしを見護ってくれている、と感じました。

 

コラージュを眺めながら香水を嗅いでいて、ハッとしました。

この香りを、香水とコラージュ制作中、ずっと嗅いでいたのです。

 

そういえば香水制作中、 精油の香りははっきりと感じていました。

鼻がきかなかったわけではなかったのです。

 

水のような砂のような、静かな香り。

まさにこの香りをコラージュで表現しようとしていたのでした。

瞑想中に嗅ぎたくなる、お香のような香水です。